現代の不動産事情を語るうえで外せないのが空き家問題。平成25年には人口密集地である東京でも、空き家統計を取り始めた昭和35年以降で、最も高い「11.1%」に達しています。そうした空き家を売ろうとした場合、借地権は必ず解決したい問題となります。そこで借地権について徹底解説をしてみました!

借地権とは

借地権というと法律用語のようで難しい、取っつきにくいと感じる人も少なくないはずです。
簡単に借地権を説明すると…「第三者の土地を借りて、その土地に自分の家や建物を建てられる権利」ことです。よりわかりやすくした図にすると以下のようになります。

借地権とは?/センチュリー21マーキュリー
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建物を建築する場合、土地は地主・建物は居住している人ものになります。現在施行されている借地権の交付以前は、土地に建物を建築する借主の立場が強く、地主が強い不満がありました。その声に答え、平成3年10月に借地借家法として新借地権が公布されました。

借地権の種類

借地借家法で定める借地権は5種類あります。

借地権

平成4年8月1日以降に適用される借地権。一般的には普通借地権といわれ、戦前から続いている借地法と現行法の2つが存在しています。現在でも旧法で借地権を契約するケースの方が多いようです。借地権には在存期間が設けられており、一律30年と決まっています。契約満了後も契約の更新が可能です。更新をする際に当事者の合意があれば30年より長く設定することも可能。地主側が借地権契約更新を断るには正当な理由が必要になります。大抵の場合はトラブルがなければ更新がされます。

定期借地権

定期借地権とは、定められた期間内のみ土地を貸し出す借地権のことです。契約満期終了後借地人は土地を更地にし、返還をしなければなりません。旧借地権に不満を持った地主たちからの要求により設けられた制度です。現在施行されている法律では定期借権が適用されます。

一般定期借地権

一般定期借地権の在存期間は50年以上です。契約の満期終了後、借地権者土地を更地にして返還しなければなりません。

建物譲渡特約付借地権

借地権を契約してから30年たつと地主が建物を買い取る借地権です。これに当てはまるのはマンション契約。契約終了に借地人が、引き続き居住を希望する場合、貸家契約を地主と交わすことになります。

事業用定期借地権

事業用の建物を所有する際の借地権。定期借権の一種です。契約期間は10年以上50年未満。契約終了後は借地人が更地にして、地主に返還します。家電量販店やコンビニで採用されることが多い方式です。

借地権の活用法

借地権には多くの種類が存在します。そんな中でも定期借地権の活用方法に注目が集まっています。定期借地権の場合、購入した建物を好きなように増改築ができます。また、定期借地権には土地と建物両方の権利が付与された状態で売られています。そのため、土地の所有権をもちつつ、建物は賃貸として所有・売却も可能です。

定期借地権を利用すると不動産業者、銀行を巻き込んで賃貸経営ができることにも注目。とりわけ金融機関が連帯保証人になるので、融資を断られることがないというのが痛快です。

不動産投資を考えている方は借地権の種類を見極めて自分のライフスタイルにあったものを選びましょう。