自慢話が厄介な上司になっていないか?
私は営業としてのキャリアが長くなってきて、部下を持つようになった。
しかし、これだけはならないようにと気をつけているのが、自慢話が厄介な上司である。
理由はとてもシンプルで、若手時代に自慢話が得意な上司によく捕まっていたからだ。
その人は、仕事はできるし明るくて人当たりがいいことで評判だったのだが、どうにも若い頃の話が絶えない人だった。
私は直属の部下だったこともあり、仕事中もお酒の席でもしょっちゅう聞かされていたものだ。
私も目上の人の経験談は勉強になると思い、最初は真剣に聞いていた。
だが、あまりにも頻繁に長話をするものだから徐々にストレスになっていったのだ。
後半の方は聞いたことのある話ばかりで、もう頼むから静かにしてくれと思っていた。
自分はこうはなるまいと、その時誓ったのだ。
不幸話も立派な自慢話
今回私は、これを読んでいるあなたにも自慢話が厄介な上司にはなってほしくないと思い書いている。
とは言ったものの、自慢話が煙たがられることぐらい分かっているという人が大半なのではないか。
そこで、多くの人が見落としがちなポイントを解説しておく。
それが不幸話も立派な自慢だということだ。
「昔はもっと職場環境が悪かった」、「昔はもっとルールが厳しかった」、そんな話を上司にされたら部下はどう思うだろう。
お前たちは恵まれているんだから仕事ができて当たり前だとプレッシャーをかけられているように感じてしまうのだ。
不幸自慢もほどほどにしておかなければ、部下からの信頼を失ってしまうかもしれないぞ。
理論や理屈だけでも人は動かない
では部下を説得したり、励ましたりするときに理論武装で頭ごなしに言い聞かせるのが良いのだろうか。
人間誰しも感情的になることはあるというのに、理屈ばかり並べられても納得できるかと言われたら多くの人はそうでないだろう。
ときには感情論も必要になるし、共感してやることも重要になってくるのだ。
部下の気持ちを汲んでやるのも、いい上司の努めだと言える。
そこで自分の体験談などを交えて話せば、とても有効的になるのだ。
有効な体験談の話し方
せっかく体験談を話しても自慢話だと思われては部下の心に響かない。
そこで重要なのはかっこいい自分とかっこ悪い自分を両方見せるということだ。
例えば、仕事でミスをして落ち込んでいる部下がいるとしよう。
そこで、自分も昔は散々なミスを犯してきたと前置きをしといて、それでも今ではうまく仕事をやれているとはなしてやるのだ。
だめだった自分をさらけ出しつつも、希望をもたせてやることで相手から信頼されやすくなる。
ここでは、かっこ悪い自分の話は盛ってでも大胆に話しておくとより効果的だ。