営業先での失敗談

この記事を読んでくれているあなたは、何気ない会話で相手の地雷を踏んでしまったという経験はあるだろうか。
私は若い頃に営業先での雑談から取引相手を怒らせてしまったことがある。
まずはその時の話を聞いてほしい。

年上で当時の私よりもはるかに偉い取引相手と雑談しているときだった、お互いの職業が大変で苦労が尽きないという会話になって、その人が「看護師は我々なんかよりももっと大変なんだろうなぁ」と言った。
それに対して私は、「そうですね、普通の人ならやっていけませんよ」と返した。

その言い方がまずかった。
なんとその人の奥さんが看護師だったのだ。
相当気分を悪くされたようで、怒鳴るようなことはないものの雰囲気は最悪、それ以降取引の話が続くこともなかった。

謙遜のしすぎは相手を不愉快に

私は若い頃に似たような失敗を何度かしているから、そうならないためのアドバイスをここからは紹介していく。
まず気をつけてほしいのが、謙遜のしすぎで知らないうちに相手の機嫌を損ねるパターンだ。

自分を下げるために使った言葉が、間接的に相手への嫌味になってしまっていることは本当によくある。
例えば、自分の出身地を「片田舎」だと表現したとしよう。
相手がそれ以上に田舎で都会からは遠く離れた場所の出身だった場合、失礼な話になってしまうのだ。

仕事相手の雑談というのは、お互いのことをあまり知らない状態での世間話となるため、こういったことが起きやすい。
目上の人との会話でもあからさまな謙遜は避けるようにするべきだ。

強めのメッセージは上から目線になりかねない

直積的でメッセージ性の強い言い回しは、時として上から目線だと思われやすいのだ。
特に人にアドバイスや意見をする場合は注意が必要だ。
自分の考えを伝えただけなのに、なぜか上から目線の嫌なやつだと認識される。

そうなりがちな言い回しの代表例が、「あなたは~だ」である。
相手を主語に持ってくるだけで、とたんに強いメッセージに変わってしまうものなのだ。
まだ結論を出すには早い段階なのに、「あなたは~すべきだ」などと言ってしまうと、多くの場合機嫌を損ねてしまう。

目指すは聞き上手

こうした問題を避けるために重要なのは、聞き上手になるということだ。
なぜなら相手の話を聞いている間は、地雷を踏むことはないからだ。
営業先で相手に気持ちよく話をさせることができれば、それだけでも商談はスムーズに進むものなのだ。

目安としては相手の話と自分の話が7:3になるくらいが良いだろう。
適切な相槌を打ちつつ、話の腰を折ることは避けるようにするんだ。
私も経験を重ねることでコミュニケーションが上達していったものだ。
はじめは難しいかもしれないが、とにかく場数を踏むことで慣れていくことだろう。