ミドル脂臭とはどんなにおい?
ミドル脂臭とは、その名のとおり30~40代のミドル世代に見られる脂っぽいにおいのことだ。
「使い古しの油のにおい」と言われることもあり、他人が嗅ぐと不快に感じることの多い体臭である。
また、後頭部から発生しやすい体臭だ。
加齢臭はすでに広く認知されているが、ミドル脂臭なんてものがあることさえ知らなかった人も少なくないのではないだろうか。
それも当然で、この体臭が発見されたのはそれほど昔のことではない。
2013年ごろから、加齢臭や汗のにおいと区別しミドル世代特有の頭皮のにおいとして「ミドル脂臭」という言葉が使われ始めたのだ。
ミドル脂臭発生のメカニズム
ミドル脂臭がなぜ不快なにおいなのかというと、それは後頭部から特に多く発生しやすいジアセチルという成分に原因がある。
皮膚にはブドウ球菌が在住しているが、それと汗のなかにある乳酸が反応して発生する成分だ。
ジアセチルは我々の日常ともかかわりの深い成分だ。
バターやチーズなどの発酵食品に特有の香気はこのジアセチルに由来しているし、日本酒やビールの製造過程で発生することもある。
もっとも後者の場合、酒の品質を損なう成分として嫌われているのだが。
ともかくチーズのにおいをイメージするとわかりやすいように、ジアセチルは少量でも広範囲に拡散して特有のにおいを周囲にまき散らしやすいのである。
したがって、後頭部から発生したほんの少しのジアセチルのせいで、古い油のようないやなにおいが周囲に漂ってしまう。
わずかなミドル脂臭のせいで周囲から敬遠されてしまう恐れがあるのだ。
ジアセチルのみでも十分にくさいが、ミドル脂臭には皮脂が含む中鎖脂肪酸のにおいも含まれていることが多い。
そのため、男性は年齢を重ねるほど体臭がひどくなりやすいのである。
ミドル脂臭を抑えるには
ミドル脂臭を抑えるには専用のシャンプーを使うのが効果的だろう。
ミドル脂臭用のシャンプーには、フラボノイドを含有するケイヒやカンゾウなどの植物エキスが含まれている。
この植物エキスによって、ジアセチルの発生を抑制することができるのだ。
また、シャンプーを変えるだけでなく、正しい方法で頭を洗うことも大切だ。
まず、シャンプーの前にぬるま湯で十分に髪と頭皮を洗い流すこと。
こうすることで皮脂が柔らかくなり、シャンプーがより効きやすくなる。
シャンプーの際はしっかり泡立てることを意識しよう。
襟足や生え際など洗い残しやすい場所まで泡を密着させるのだ。
すすぎもしっかり行うこと。
すすぎ残しのないようにしっかり洗い流すために、頭皮をマッサージしながらすすぐとよい。
最後に、髪だけでなく頭皮までしっかり乾かすことも大事だ。
頭皮が湿ったままだと細菌が繁殖しやすくなるので注意しよう。
タオルドライで大まかに水分を拭き取り、仕上げにドライヤーでしっかり乾燥させることを習慣にしたい。